1月7日、海運大手の商船三井 <9104> が一時3340円まで上昇、2018年10月以来の高値を付けた。昨年3月17日の安値1487円から2.2倍の上昇である。同じく海運大手の川崎汽船 <9107> は1月8日に一時2345円まで買われ、昨年3月19日の安値(714円)から3.3倍に上昇、1月13日には日本郵船 <9101> も一時2711円の高値を付け、昨年3月17日の安値(1091円)から2.5倍に上昇している。背景には新型コロナ危機からの世界経済の回復ペースが想定を上回り、中国や北米を中心に鋼材などの資源需要が増加、コンテナ船などの海運需給がタイトになっていることが指摘されている。世界の貿易や経済の先行指標となるバルチック海運指数も上昇傾向を鮮明にしていることから、株式市場では海運セクターの注目度が高まっているようだ。

もともと海運業界は景気敏感セクターとしての側面があり、特に資源価格の上昇局面で大きく動く習性がある。今回は商船三井の最新動向をリポートしたい。

バルチック海運指数、資源価格が上昇傾向

商船三井,株価
(画像=まちゃー / pixta, ZUU online)

バルチック海運指数(以下、BDI)は、英国のバルチック海運取引所が算出する外航不定期船の運賃指数である。鉄鉱石や石炭、穀物といった乾貨物(ドライカーゴ)を梱包せずにそのまま運ぶ「バラ積み船(ドライバルク船)」の運賃を海運会社やブローカーからヒアリングし、指数化したものだ。

1月12日現在のBDIは1849で、2020年末に比べて35%している。先に述べた通り、中国や北米などの資源需要の増加に供給が追いついていないことに加え、原油や非鉄金属、国際商品指数のCRBインデックスの上昇も影響しているようだ。原油価格はほぼ10カ月ぶりに1バレル=50ドル台を回復したほか、非鉄金属を代表する銅の価格は8年ぶり、CRBインデックスはほぼ1年ぶりの高値圏にある。